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貞観政要

先日、とあるセミナーに参加したときにゲストスピーカーとしてこられていた会長様が、今、お読みになっている書籍として紹介された『貞観政要』。妙に気になり、早速、Amazonで発注。この週末にさわりを読み始めてみました。

「草創(創業)と守文(守成)と孰れが難き」という問いに対して、暴君衰退の歴史などをあげて、守文(維持)の難しさを多く記載されている点が、今までにはあまり読んだ事のない新鮮さを感じました。確かに創業の大変さは、陽性の面を持って、頑張れば成果が目に見えるので外観的にも理解しやすいのですが、守文はこれと違って、その大変さはむしろ陰性で、毎日がしんどいく、目に見える成果がすぐに現れるでもなく、それでいて油断はできない、、といったところもすごく腑に落ちる物でした。

君主第一・第一章「貞観の始、大宗、侍臣に謂いて曰く、君たるの道は、必ず須く先ず百姓に在すべし。若し百姓を損じてその身に奉ぜば、猶お、脛(はぎ)を割きて以て腹に喰らわすが如し。腹飽きて、身たおる」と始まりますが、君主が苛斂誅求で人民を苦しめて疲労させることは、自分の足の肉を食らって満腹するような状態であり、満腹したときに”身たおる”となっても不思議なことではないというのも、ふむふむといった感じです。

で、はじめの解説にも書いてあった点も興味深い。唐の時代などは、君主に問題があれば、「民」が「君」を倒せば一応問題は解決できたのだが、「”民”=大衆」が「君”主”」となっているような今の時代は、そう簡単にはいかず、”脛(はぎ)を割きて以て腹に喰らわすが如し”の状態を分かってはいながらもやめられず、国が破産するのではないかという危惧を感じつつも、あらゆる要求をして、一歩も譲らないという結果になり、、、

などなど非常に示唆に富む内容が書かれてます。
”守文”に重きを置く帝王学の書としてじっくりと読み進めていこうと思います。