イスラエル諜報部門8200部隊の選抜プロセスとは⁈
先日とある機会があり、”8200 EISP”のマネジメントの方とお食事する機会をいただいた。8200部隊とは、イスラエル参謀本部諜報局の中でも、情報収集、インテリジェンス活動を主に担当するエリート中のエリートが所属する組織だ。
その時代によって、あるときにはAirforce部隊や陸上部隊がエリート集団とされることもあるようだが、近年では、ミッション・インポッシブルのような活動をリアルな世界で展開しているといわれる8200部隊は、最高のエリート部隊であることは間違いないようだ。
またイスラエルのユニークなところは、その8200部隊出身の卒業生が集まり8200 EISP(Entrepreneurship and Innovation Support Program)という団体を作っていて、文字通り、イスラエルの起業家やイノベーション支援を行っている点だ。
今回この8200 EISPのマネジメントチームの方より、”スキルも経験もない18才の若者をどのように選抜して組織に招聘しているのか?!”という非常に興味深いお話をお聞きしたので、参考までにブログにしてみた。
シンプルにいうと以下の4段階。
- 16歳〜18歳である一定の基準を満たした人材にお手紙が届く
- その中からある適正に基づきチームを編成
- このチームごとにとても解決できそうもない困難な問題をアサイン
- 解決していくプロセスの中で人材の適正を評価
選抜方法としては、よくある人材評価のプロセスに見える。ただとても示唆に富んでいたのは、どのチームでも、自然とチームの中からさまざまなリーダーシップを垣間見れるという点だ。Steve Jobsのような感じのデザイナー的感覚でトップダウンから戦略を立てる奴も現れれば、地道な分析からボトムアップでプログラムを書き始める奴もいて、誰が、どんな特性を持って、どのように問題に対処していくのか、チームごとに本当によくわかるのですよと。中には、想定している以上の解決策を提案してくるチームもあったりするそうだが、いずれにせよ、誰も答えがわからない環境の中で示される、そのリーダーシップの発揮の仕方が問われているようだ。
このプロセスは、あくまでひとつの選抜事例でしかないと思うが、何の実績もない人材の見極め方法としては、すごく腹落ちして、非常に効果的なプロセスだと感じた。
また話は変わるが、ちょうど今週末、LINE森川さんの「シンプルに考える」を読んでいて、フッと思ったことがある。
8200部隊に選ばれるイスラエルの精鋭達とLINEの類似性だ。
「ユーザーのニーズに応える」という「本質」に全力を集中させる。それ以外に、ビジネスを成功させる方法はないという森川さん。そのユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集め、彼らが何ものにも縛られることなく、その能力を最大限に発揮できる環境をつくり出す。
そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。
そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。
僕がやってきたことは、これに尽きますよと。
つまり情熱と能力がある人間が主導権をとれる環境を経営者がつくりだすのだ。
”この世界は求めるものと与えるものエコシステム。人々が求めているものをタイムリーに与える続けるもののみが生き残る”という環境の中で、LINEでは、本当にユーザーファーストな視点から現場への権限委譲が進む。その権限と責任を持つリーダーの選定は、誰も答えがわからない環境の中で示されるリーダーシップを問うていた8200部隊の選抜プロセスに通じるものがあるなーと感じたテルアビブの週末でございました。