Design Intangible World

ZEROBILLBANK - Startup Journey in Israel

起業するということ

自分でもびっくりなのですが、なんとなんと、このたび起業することにしました。

2014年11月16日をもちまして、15年間お世話になったIBMを退職させていただきます。

IBM SingaporeでのGlobal IBMerとしての任期満了に伴い、日本へ帰任すれば、将来的には偉くなれるチャンスも巡ってきたかとも思いましたが、40才を前に、もう少しだけ挑戦してみようという気持ちと、かつその自信がちょっとだけ芽生えてきたいうのがきっかけでしょうか。

シンガポールで過ごした3年の時間は、

  • 英語でコミュニケーションすること
  • 国籍関係なく才能豊かな人材が入り乱れる多様性の中でSurviveすること
  • マイノリティーとしてビジネスをリードしていくことのおもしろさ

など、日本にいてはなかなか経験できないようなことを学び、日本地図しか見えていなかった狭い視野を、一気に世界地図を見渡せるほどに大きく広げる十分な期間だったと思います。

で、どこで起業するかというと、さらに自分のキャリアを差別化するためにも、日本での起業ではなく、海外での起業に挑戦してまいります。具体的には日本人にはまだまだ未開の地、けれども世界的には”Startup Nation”と言われるほどStartup Ecosystemが充実した中東のシリコンバレー、イスラエル・テルアビブでの起業です。

もう少し詳しくお伝えしておくと、3年前ぐらいから、とある事業アイディアとその事業計画を考えていたのですが、昨年、勢いでシリコンバレーでの起業プログラムに応募したところ、これがなんと補欠合格。ただ最終的にあまり魅力的な条件ではなかったためPendingにしておりました。

そして2014年4月、たまたま目にした以下URLにある某SEED Acceleratorのイスラエルでの起業プログラムに応募したところ、今度は見事に合格!あれよあれよという間に話が進み、現在最終調整中なのですが、彼らよりいくばくかの投資をいただくとともに、現地オフィス&シェアハウスなど、ある意味、寮生活に近い住空間のなかで一緒に事業を立ち上げていくコンセプトにも大変共感いたしましたので挑戦させていただくことにいたしました!

ニュース等でいろいろと報道されておりますとおり、現在イスラエルは停戦中とはいえ、2014年7月から8月にかけては、ガザからイスラエルへのミサイル攻撃、イスラエルからガザへの空爆など戦争状態にあったことも事実ですが、7月末に先日訪れたテルアビブ市内は、みなさん意外にも普通に生活していることがわかりましたので、一度しかない人生、最初にして最大の挑戦をしてこようと決意いたしました。

ここで改めて 

”なぜイスラエルで起業なんてしようと思ったのか?” 

ということについてまとめておきたいと思います。

イスラエルで起業するっていう話をすると、えええーーー すげーーーっ 
とみんな一様にびっくりされるのですが(まーーー、それはそうですよね。。。)
以下3つの理由が大きいかなと思ってます。

  1. 圧倒的なStartupへの投資額と充実したエコシステム
  2. 世界中のTalented PersonとのInteraction
  3. 金融の発祥の地であるロスチャイルド通りのシェアオフィス

最初にあげたStartupへの投資額は、アメリカの2.5倍、ヨーロッパの30倍と言われているように世界から注目を集めるイスラエルには、シンガポール同様、そこに行かなければ得られない知見や情報、人脈が集積しているはずであり、特に「混沌に秩序が与えられている」小国の歴史的な背景の中で、その状況を生き抜いてきたDNAを持つ多様な人材・才能との相互交流は、すべてが管理され安定しきっているシンガポールとはまた違った次元で、イノベーションを起こせると直感的に感じましたし、特にその特異な歴史的な背景の中から発展してきた金融システム発祥の地でこそ、次世代の基軸通貨たるSocial Currencyとしてのzerobillbankのスキームを立ち上げるべき最適な場所であると考えました。

太田英基さん著『僕らはまだ、世界を1ミリも知らない』の中で、とある外資系コンサルの重役の方が「グローバルにビジネスを展開することはどういうことか?わかる人は?」という質問をした後に答えるのですが、本当にグローバルなアクションを取る人というのは、いいアイディアが浮かんだら、たとえば「これって東京じゃウケないけど、サンパウロでやったらうまくいくんじゃないか?」と思える人。「アルゼンチンで流行っているこのビジネスをカナダに持っていってもうまくいくんじゃないか?」「これは仏教徒には合わないけど、アラブの国なら受け入れてもらえるんじゃないか?」と、はじめから世界を舞台に物事を発想できる人だと。「そして、彼らは世界中にビジネスの相談ができる繋がりを持ち、すぐに現地の知り合いに連絡して調べてもらうことができる。これが世界を舞台にビジネスをするということなんだよ。とりあえず東京から… なんてことを彼らは絶対に考えない。何より先に、閃いたアイディアをこの地球上の誰が必要としているのかを考えるんだ。こういう思考ができる日本人がまだまだ少なすぎる」と。

日本で活動しているときにこんなことを言われたら、おーーーー、やっぱり凄いなーーーって思っていたかもしれません。ただ、まったくの海外経験ゼロだった自分が、いざシンガポールにきて仕事をしてみますと、日本人である自分は世界にも十分に通用する強みを持っていることにも気づきましたし、その日本人であることの優位性を活かしてそこそこにパフォーマンスを残しながら海外でSurviveしてきたことをみると、上記のような世界を視野にいれる思考も「今の自分であれば、そんな”グローバル”な日本人になれるかも。で、今のビジネスプランは、イスラエルのスタートアップ・エコシステムを活用して実現することが最適ではないか?!」という感覚を普通に覚えてました。

確かにこれまでは、IBMという世界的な大企業の一営業として何の苦労もなくビジネスをさせていただいておりましたが、これからは、その社員証をお返しし、Junichi Horiguchi個人として、世界で勝負していく必要があります。奇しくもITの使い方が大きく変わろうとしている時代の中で、B2B市場でITを売る立場から、B2C市場をターゲットにし、ITを使っていく立場に変わりますが、これまで培ったバックグラウンドを活かして、さまざまなIT技術の駆使し、組み合わせ、新しいサービスを創り出していくStartup起業を立ち上げることが楽しみで仕方がありません。

IBM退職前に訪れたBorobudurのAmanjiwoにおいてあったThanks messageがとても素敵でしたので、少々カスタマイズして、今日のブログの〆の言葉にしたいと思います。


May the sense of challenge be the most precious souvenir I cherish from this journey in IBM Japan, IBM Singapore, and the growth market!

「できるできないでなく、やるかやらないかで世界を変える」

ですかねっ

 

ここまで私を育ててくれましたIBMに感謝です!
本当にありがとうございましたっ

日本、シンガポールに継ぎ、イスラエルでも一旗あげ、さらにUK、NYへと西へ向かいます。最終的にはシリコンバレー経由で世界一周し、東京に凱旋してくる予定ですので、ぜひぜひ応援ください!

 

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